2020-05

『人間の運命』

ロシアのドン地方の大地に根ざして、大地に結びつけられて、浮ついたところのない、愚かしさも、無慈悲さも、善良さも、邪悪さも、心根のまっすぐさも、たくましさも、そして弱さも、すべてを含んだような人間たちが、運命に、歴史に翻弄されながら生きている、その姿に心が震える。
映画

映画「善き人のためのソナタ」

 盗聴という行為のなかでも、善良な、平凡な人間として、善きことを選びとる。当たり前の、普通の人間の行為。だが、それを選びとることが、どれほど難しいことか。自己顕示欲のない、一粒の麦のような人物を描いて秀逸。自分の存在に感謝してくれる人間がいるという事実を抱きしめられる幸せ。

『鼓笛のかなた』

呪者によって呪いを運ぶ使い魔とされた霊狐の野火と、人間の少女・小夜の心と心が求め合う、ひたむきで、一途な物語。一方で憎しみの連鎖により、いがみ合い、傷つけ合う人々の物語。
つれづれに

つれづれに

新型コロナウイルスの蔓延が日常の風景をかえてしまっている。 引きこもり気味の、高齢者の、わたしの生活はさほどかわらないが、先の見えない不安がじわじわと、しのびよってくるようで怖い。 ブログを始めて1年が経つ。細々と、休み休み、書きたいことを...