2022-11

『こんな風に過ぎて行くのなら』

 浅川マキという歌手がいた。  野坂昭如が、「あなたは、最後は、養老院で誰にも相手にされずに、あたしゃね、これでも昔は、ちっとは名の知れた歌手でね、と言っているだろうよ」と、言ったとか。そういう最後も悪くはないと思う。

『家畜人ヤプー』

こういう世界に、ファナティックに耽溺する人がいるのだと目を開かされた1冊。人間の理性を奪う方法、苦痛を歓喜、僥倖に変える方法の言及にも関心がいった。根本原理は、宗教そのものの原理であり、オーソドックスな方法だと思う。

『緋色の記憶』

裏さびれたバス停に緋色のブラウス姿で降り立ったエリザベス・チャニング。同僚の教師で、妻子あるレランド・リードを愛する。そこから「チャタム校事件」と呼ばれる未曽有の悲劇が始まる。
つれづれに

つれづれなるままに

今回は、「受容」をテーマにして、そして100回でひとまず区切りをつけよう。セラピーの役割は果たしたし。  「仕事」のように日常性に組み込むことで、生活にメリハリができる。何もない日々を暮らすのが楽になる。堀田善衛の『時間』のなかに、内発性と...