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映画「茜色に焼かれる」

社会の底辺でおしひしがれている人たちの息苦しさ、どうしようもなさ、無力感、屈折する怒り。一人は自殺し、一人はそれでも私はこうやって生きていくしかない、こうやって生きていくのだと、世間に宣言しているような映画だった。
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映画「PLAN 75」

年をとっても、穏やかに暮らしていける生活の条件、経済的な条件が整っているならば、人は自ら死を選びたいとは、そうは思わないだろう。「プラン75」のあくどさがきわだつ。
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映画「プリズナーズ」

父と娘の物語の定番のようなお話、プラス幼児誘拐の話をからませてある。「愛する娘を奪われ、狂気にとらわれた父親が取った行動とは!?」と、センセーショナルにとりあげられていて、つい観てしまった。
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映画「嘆きのピエタ」

「前代未聞の愛の結末に、世界が言葉を失った魂のサスペンス・ドラマ」、公式ホームページのキャッチコピー。本当に言葉を失うかも……
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映画「異端の鳥」

説明は一切ない。モノクロの映像。普通と言われる人々の苛烈な暴力。どこにでもある。出会う人、出会う人が少年に悪意と邪悪と残虐のかぎりを尽くす。善き人に出会えることはあるのかと、画面を見つめる。
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ノーム・チョムスキー インタビュー

ノーム・チョムスキーのインタビュー。93歳。明晰で冷徹な分析と冷静な語り。オリバー・ストーン監督はウクライナとロシアとアメリカの関係を映像で表現したが、チョムスキーは言葉と論理で、白日の下に晒している。アメリカの驚愕の実態が語られる。
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映画「告発のとき」

行為とたたずまいの落差。イラクでは一体何が起こっていたのかと、見る者に暗い戦慄を起こさせる。マイクの「父さん、助けて」という声がいつまでも心に張りつく。ハンクは、少なくとも自分が信じてきた世界とは違う世界が、イラクで戦う人間を蔽いつくしていることに呆然とする。
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映画「オールド・ボーイ」

チャランポランで、真面目に生きているとは言えない男が、ある日突然、妻と娘を残して、理由もわからず監禁された。そして、15年後に解放される。そこから男の復讐劇が始まる。若い女と知りあい、愛しあい、謎に迫っていく。なぜ監禁されたのか。監禁した相手は、なぜ解放したのかと問うべきなのだと語る。
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映画「マイ・マザー」

 原題は「僕は母を殺した」。ちょっと身構えてしまうが、内容はずっと穏やか。16歳の主人公ユベールの母親に対する愛憎と揺れ動く心の狭間を二人の派手な罵り合いや、斬新な映像で見せる。 グザヴィエ・ドラン、19歳で、監督・脚本・製作・主演。天才だと思う。鮮烈のデビュー作。
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映画「ブラック・スワン」

主人公ニナは一流バレエ団に所属するバレリーナ。ニナは母親との関係で抑圧を抱えている。母親はニナが成功するのを望んでいない。いつまでも自分の支配下の「いい子」のニナであることを望んでいる。 ニナはそこから脱出するために、完璧さの実感=死に自らを解き放つ。