映画

映画「ブルージャスミン」

ジャネットという名をジャスミンと変え、精神の不安定さを抱えながらも、セレブの生活を満喫していた彼女は、夫が詐欺罪で捕まり、その後自殺、富も名声もすべて失った。妹の元に転がりこむが、精神安定剤と酒が手放せない。とあるパーティーで人のよさそうなセレブと知り合い、婚約にまでこぎつけるが……
映画

映画「あるスキャンダルの覚え書き」

 孤独に蝕まれた初老のバーバラと、家族に心を蝕まれた、ふわふわした妖精のようなシーバ。バーバラはシーバに好意を抱く。シーバは、自分の欲望、衝動を適切にコントロールできず、中学生の教え子と性的な関係をもつ。それを知ったバーバラはどうしたか?

『春にして君を離れ』

家庭を維持していく自らの能力を誇り、子どもや夫のことのみを考え、自分のことを考えることもない、謙虚で、奉仕の精神にあふれた人間だと自負しているジョーンが、何もない砂漠に放り出されたとき、どうなるか? 夫のロドニーは、ジョーンを「自分の作りあげた明るい、自信にみちた世界の中で幸せで、安泰な毎日を送り続ければいい」と願う。二人は共に自分を生きる勇気を持てなかった。

「ヘルピング・ハンズ」

 高級住宅地に住む、46歳のヘレーネは、突然夫を亡くす。子どももなく、何の準備もなしに、孤独の底に突きおとされ、人生の破局を味わっていた。  ヘレーネは自分を守ってくれる人を求めた。生活が壊れて、夢想が現実のなかに入り込む。自分で自分を止められない。守る者もいない剥き出しの現実のなかに、ヘレーネは落ちていく。
つれづれに

つれづれに

またまた、間が空いてしまった。前回まで1週間に1度投稿しようと決めていたので、いつもアタフタして見直しも碌にしていなかった。よく見たら、ズサンなものもあった。これからは、ガチガチ自分を縛らずに、気ままにのんびりいこう。書くことがセラピーにな...

『私の消滅』

錯綜した悪意と人間を損なう邪悪さの陰惨な連鎖に翻弄され、もがき苦しみぬいて自殺した女性。彼女を自殺にまで追いつめた人間たちに対する憎悪から復讐を企てる。洗脳による記憶の操作は可能なのか? 私の記憶を他の人間に埋めこむことは可能なのか?
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映画「冷たい熱帯魚」、「凶悪」

埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした「冷たい熱帯魚」、「ある死刑囚の告発」を元にした「凶悪」。両者に共通するのは、金のための殺人と過剰な暴力。ある意味ではわかりやすい「名前のある毒」ともいえる。しかし、暴力の過剰さが増すごとに、現実から逸脱していくような不気味さが立ち現れる。

「とうもろこしの乙女 ある愛の物語」

悪意と邪悪さがきわまったような物語。13歳の少女がそこまでできるのか。不自然さはなく、一気に読ませる。シングルマザーの孤独と不安定さ。メディア報道の横暴さと、それをたやすく信じ、一緒になって追いつめる普通と呼ばれる人々。現代の問題にも切り込む衝撃作。

『名もなき毒』

無差別殺人事件と、歪んだ自意識を持つ人間が周りを巻きこんで起こす事件が平行して描かれる。両者に共通してあるのは、激しい怒り。怒りは限界点に達し、外に向けて毒が発せられる。その毒は、結果として、自分自身を苛む毒と、他者を苛む毒に変わる。主人公は、「我々の内にある毒の名前を知りたい」と煩悶する。
つれづれに

つれづれに

底辺から眺めていると、世の中おかしなことばかりで、腹立たしさを通りこして絶望的になってくる。前回は、人間に対する信頼につながるようなものをとりあげた。差別や悪意や不誠実や暴力がはびこる世界に、それでもひっそりと善きもの、美しきものをさしだす...