空虚

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映画「オールド・ボーイ」

チャランポランで、真面目に生きているとは言えない男が、ある日突然、妻と娘を残して、理由もわからず監禁された。そして、15年後に解放される。そこから男の復讐劇が始まる。若い女と知りあい、愛しあい、謎に迫っていく。なぜ監禁されたのか。監禁した相手は、なぜ解放したのかと問うべきなのだと語る。
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映画「マイ・マザー」

 原題は「僕は母を殺した」。ちょっと身構えてしまうが、内容はずっと穏やか。16歳の主人公ユベールの母親に対する愛憎と揺れ動く心の狭間を二人の派手な罵り合いや、斬新な映像で見せる。 グザヴィエ・ドラン、19歳で、監督・脚本・製作・主演。天才だと思う。鮮烈のデビュー作。
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映画「ブレイブ ワン」

すべてを失い、「声だけが肉体から離脱したように街の中をさまよっている」エリカに、マーサーはどうやって立ち直るのかと尋ねる。エリカは、「生まれ変わるの、別人に」と答える。恐怖が自分を見知らぬ誰かに変え、銃を買ったとき、世界との関係が変わる。

『ロンリー・ウーマン』

連作短編集。もう若くはない年齢から老齢までの女性が主人公で、皆、内面に孤独を抱えもっている。「持続する一人居というものはしらずしらずのうちに人を狂わせるのかもしれない」とあるように、それぞれが狂気を孕んでいる。
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映画「ブルージャスミン」

ジャネットという名をジャスミンと変え、精神の不安定さを抱えながらも、セレブの生活を満喫していた彼女は、夫が詐欺罪で捕まり、その後自殺、富も名声もすべて失った。妹の元に転がりこむが、精神安定剤と酒が手放せない。とあるパーティーで人のよさそうなセレブと知り合い、婚約にまでこぎつけるが……
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映画「あるスキャンダルの覚え書き」

 孤独に蝕まれた初老のバーバラと、家族に心を蝕まれた、ふわふわした妖精のようなシーバ。バーバラはシーバに好意を抱く。シーバは、自分の欲望、衝動を適切にコントロールできず、中学生の教え子と性的な関係をもつ。それを知ったバーバラはどうしたか?

『春にして君を離れ』

家庭を維持していく自らの能力を誇り、子どもや夫のことのみを考え、自分のことを考えることもない、謙虚で、奉仕の精神にあふれた人間だと自負しているジョーンが、何もない砂漠に放り出されたとき、どうなるか? 夫のロドニーは、ジョーンを「自分の作りあげた明るい、自信にみちた世界の中で幸せで、安泰な毎日を送り続ければいい」と願う。二人は共に自分を生きる勇気を持てなかった。

「ヘルピング・ハンズ」

 高級住宅地に住む、46歳のヘレーネは、突然夫を亡くす。子どももなく、何の準備もなしに、孤独の底に突きおとされ、人生の破局を味わっていた。  ヘレーネは自分を守ってくれる人を求めた。生活が壊れて、夢想が現実のなかに入り込む。自分で自分を止められない。守る者もいない剥き出しの現実のなかに、ヘレーネは落ちていく。
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映画「ダウト」

ジョン・パトリック・シャンリー監督 アメリカ 2008年  1960年代半ば、ニューヨークのカトリック学校。子どもたちは普通に教科を学ぶ。教えるのは神父とシスター(修道女)。戒律は厳しい。   神父とシスターの間には目に見える格差がある。神...
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映画「カポーティ」

アメリカ中西部カンザス州ホルカム村で起こった一家4人惨殺事件。「静かで保守的な社会と二人の犯人、無防備な人々と犯罪的暴力。事件の夜、その二つが交錯した」 残忍で目を覆うような犯行を取材し、関係者をインタビューし、犯人二人の話を聞き、『冷血』という小説を書いたカポーティ。