戦争

映画

映画「ちいさな独裁者」

人間の悪意をあぶりだしていて、それが事実として坦々と描かれていて、とても不快な気分になる。現実にあり得ること、似たようなことはどこでも起こり得る。そのどす黒さと逡巡のなさに耐えきれないのか。小さなヒトラーはどこにでもいる。

「ヘルピング・ハンズ」

 高級住宅地に住む、46歳のヘレーネは、突然夫を亡くす。子どももなく、何の準備もなしに、孤独の底に突きおとされ、人生の破局を味わっていた。  ヘレーネは自分を守ってくれる人を求めた。生活が壊れて、夢想が現実のなかに入り込む。自分で自分を止められない。守る者もいない剥き出しの現実のなかに、ヘレーネは落ちていく。

『人間の運命』

ロシアのドン地方の大地に根ざして、大地に結びつけられて、浮ついたところのない、愚かしさも、無慈悲さも、善良さも、邪悪さも、心根のまっすぐさも、たくましさも、そして弱さも、すべてを含んだような人間たちが、運命に、歴史に翻弄されながら生きている、その姿に心が震える。

『鼓笛のかなた』

呪者によって呪いを運ぶ使い魔とされた霊狐の野火と、人間の少女・小夜の心と心が求め合う、ひたむきで、一途な物語。一方で憎しみの連鎖により、いがみ合い、傷つけ合う人々の物語。
映画

映画「ハンナ・アーレント」

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 ドイツ、ルクセンブルク、フランス   2012年  ハンナ・アーレント、ドイツ系ユダヤ人の政治哲学者。  ナチス政権の誕生で、パリへ亡命。反ナチの活動をするが、ドイツのフランス占領でユダヤ人キャンプに送ら...

『憎むのでもなく、許すのでもなく』

過去を見るまなざしに新しい視線を導入する。自分を被害者として過去に押さえ込まれてしまう立場から、自分を主体として立ち上げること。