差別

『彼女は頭が悪いから』

「2016年5月11日、東京大学男子学生5人、強制わいせつで逮捕」 現実に起こった事件に着想を得た書き下ろし小説。あるがままを誰かに受け止めてもらえること。これが傷ついた人間が究極に求めることではないか。ここを通してしか再生はないのではないかと思う。
映画

映画「東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート」

都営霞ヶ丘アパートはオリンピックのために取り壊された。住民の意向を無視して、特に高齢者の生活基盤を破壊した。それも聞く耳を持たない東京都の高圧的なやり方で。これは紛れもない事実である。

『グロテスク』

 1997年3月に東京渋谷の円山町で起きた「東電OL殺人事件」と呼ばれる事件をモチーフにした小説。被害者は一流企業に勤務する39歳のエリート女性で、夜は売春をしていたらしいことで、人権侵害にも近いメディアの報道が続いた。斎藤美奈子は解説で、「『グロテスク』によって、はじめて私は、事件の被害者が「救われた」と感じた」と書いている。

『レイシズムとは何か』

日本型反差別から脱却し、差別する権利・自由を否定する反レイシズム規範を日本社会でどのように打ち立てたらよいかという課題と向き合うための基礎となるレイシズムの入門書。 ブラック・ライブズ・マターは、極めて普遍的な闘争であり、従来の世界の反レイシズム運動や理論を塗り替えるいくつもの画期的な側面をもつ。

『もう一つの国』

 黒人であるとはどういうことか、差別の実相とはどういうものか、それは人にどのような影響を与えるのかが、ニューヨーク・マンハッタンでの登場人物たちの孤独な生活、互いの関係性、同性・異性とのセックスなどを通して浮かびあがってくる。そしてそれは、黒人だけでなく、差別を受ける人間一般についても言える。
映画

映画「私はあなたのニグロではない」

他者を同じ人間だと認めない精神構造は、人を怪物にする。 「強制的に作られた黒人への偏見の歴史、無知や先入観が引き起こす“差別の正体”」を、証言や豊富な記録映像で突き付けられる。  60年代の公民権運動から現在のブラック・ライヴズ・マターを踏まえて、アメリカの人種差別、ひいてはすべての人種差別の根底にあるものを摘出している。
映画

映画「サーミの血」

 北欧ラップランドで、トナカイを飼い、自然とともに暮らすサーミ人。ヨーロッパ人の先住民族に対する差別と偏見。差別される側は、自由に生きることが、故郷を捨て、ヨーロッパ人に同化することになってしまっている。
映画

映画「クラッシュ」

人種も階層も異なる人々が善き面も悪しき面も持ちながら、不寛容と怒りに翻弄されている。侮辱され、自尊心を傷つけられた人々は、ある場合は極端な破壊的な行動にさえ赴く。玉突きの玉のようにそれぞれがクラッシュする。 「透明のマント」を着た5歳のララに衝撃の出来事が起こり、観るものは天国と地獄を味わう。
映画

映画「ダウト」

ジョン・パトリック・シャンリー監督 アメリカ 2008年 1960年代半ば、ニューヨークのカトリック学校。子どもたちは普通に教科を学ぶ。教えるのは神父とシスター(修道女)。戒律は厳しい。  神父とシスターの間には目に見える格差がある。神父た...
映画

映画「ハンナ・アーレント」

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 ドイツ、ルクセンブルク、フランス  2012年 ハンナ・アーレント、ドイツ系ユダヤ人の政治哲学者。 ナチス政権の誕生で、パリへ亡命。反ナチの活動をするが、ドイツのフランス占領でユダヤ人キャンプに送られる。...