差別

『ランスへの帰郷』

恥が誇りに変貌する瞬間、それは一貫して政治的なものである。支配と服従のメカニズムはどのように作動したかについて考察するために過去を振り返る。どういう本に影響を受け、どういう本を血肉として自分を育ててきたかの省察でもある。

『人新世の「資本論」』

実践的な行動のための展望――気候正義、ミュニシパリズム、食糧主権  3.5%が立ちあがれば、社会は変えられる。  持続可能で公正な社会を目指そう!
映画

映画「茜色に焼かれる」

社会の底辺でおしひしがれている人たちの息苦しさ、どうしようもなさ、無力感、屈折する怒り。一人は自殺し、一人はそれでも私はこうやって生きていくしかない、こうやって生きていくのだと、世間に宣言しているような映画だった。

『護られなかった者たちへ』

生活保護制度の矛盾や不条理。他者に対して敬意をもつという姿勢が、「公」の現場やそこに影響を与える人々に欠落している。だから「北九州方式」などというやり方が罷り通っているのだろう。

『大丈夫な人』

社会的に弱い立場にいる人の持つ、もどかしさ、あきらめ、鬱屈感が、悪い状況を打開するのではなく、身を任せ、流されてしまう方向に動いていく。受け身の人間の心の働かせ方が、これでもかと描かれている。
映画

映画「PLAN 75」

年をとっても、穏やかに暮らしていける生活の条件、経済的な条件が整っているならば、人は自ら死を選びたいとは、そうは思わないだろう。「プラン75」のあくどさがきわだつ。
映画

映画「異端の鳥」

説明は一切ない。モノクロの映像。普通と言われる人々の苛烈な暴力。どこにでもある。出会う人、出会う人が少年に悪意と邪悪と残虐のかぎりを尽くす。善き人に出会えることはあるのかと、画面を見つめる。
映画

ノーム・チョムスキー インタビュー

ノーム・チョムスキーのインタビュー。93歳。明晰で冷徹な分析と冷静な語り。オリバー・ストーン監督はウクライナとロシアとアメリカの関係を映像で表現したが、チョムスキーは言葉と論理で、白日の下に晒している。アメリカの驚愕の実態が語られる。

『1★9★3★7 イクミナ』

「記憶の墓をあばく」というすさまじく暗く重たい熱量。目を見開き、見たくないもの、隠れているもの、隠蔽されているものを見ようという意志のほとばしり。負の歴史に対峙するとはこういうことなのかと震撼させられる。「ゲッベルスと私」のポムゼルと対極にある生のかたち。
映画

映画「ゲッベルスと私」

自分が何をしたか、何をしなかったか、そういう問いの立て方ではなく、私は精一杯生きた。あの時代、仕方がなかった。仕事に誠実に生きた、と語る姿。同時に、私は知らなかった、と語る姿。彼女の思いは、当時を生きたドイツの普通の人々の思いでもあるだろう。