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映画「ミリオンダラー・ベイビー」

リングに登場したときの、「青い熊」ビリーの存在感に打ちのめされた。虚無の塊のような、地獄からやってきたような、人を寄せ付けない暗さのすさまじさに引き込まれそうだった。私の記憶のなかでは、かっこいい女になっていた。
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映画「ドラゴン・タトゥーの女」

40年前の少女失踪事件の謎を現場の孤島で追跡調査するという筋立てに、天才的なハッカー技術をもち、孤独で、暗い翳を抱えて、強くて、非情で、甘さだの優しさだのとは無縁なリスベットが絡み、過去の忌まわしい闇が解明される。
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映画「ブレイブ ワン」

すべてを失い、「声だけが肉体から離脱したように街の中をさまよっている」エリカに、マーサーはどうやって立ち直るのかと尋ねる。エリカは、「生まれ変わるの、別人に」と答える。恐怖が自分を見知らぬ誰かに変え、銃を買ったとき、世界との関係が変わる。
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映画「ブルージャスミン」

ジャネットという名をジャスミンと変え、精神の不安定さを抱えながらも、セレブの生活を満喫していた彼女は、夫が詐欺罪で捕まり、その後自殺、富も名声もすべて失った。妹の元に転がりこむが、精神安定剤と酒が手放せない。とあるパーティーで人のよさそうなセレブと知り合い、婚約にまでこぎつけるが……
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映画「あるスキャンダルの覚え書き」

 孤独に蝕まれた初老のバーバラと、家族に心を蝕まれた、ふわふわした妖精のようなシーバ。バーバラはシーバに好意を抱く。シーバは、自分の欲望、衝動を適切にコントロールできず、中学生の教え子と性的な関係をもつ。それを知ったバーバラはどうしたか?
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映画「冷たい熱帯魚」、「凶悪」

埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした「冷たい熱帯魚」、「ある死刑囚の告発」を元にした「凶悪」。両者に共通するのは、金のための殺人と過剰な暴力。ある意味ではわかりやすい「名前のある毒」ともいえる。しかし、暴力の過剰さが増すごとに、現実から逸脱していくような不気味さが立ち現れる。
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映画「クラッシュ」

人種も階層も異なる人々が善き面も悪しき面も持ちながら、不寛容と怒りに翻弄されている。侮辱され、自尊心を傷つけられた人々は、ある場合は極端な破壊的な行動にさえ赴く。玉突きの玉のようにそれぞれがクラッシュする。 「透明のマント」を着た5歳のララに衝撃の出来事が起こり、観るものは天国と地獄を味わう。
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映画「善き人のためのソナタ」

 盗聴という行為のなかでも、善良な、平凡な人間として、善きことを選びとる。当たり前の、普通の人間の行為。だが、それを選びとることが、どれほど難しいことか。自己顕示欲のない、一粒の麦のような人物を描いて秀逸。自分の存在に感謝してくれる人間がいるという事実を抱きしめられる幸せ。
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映画「ダウト」

ジョン・パトリック・シャンリー監督 アメリカ 2008年 1960年代半ば、ニューヨークのカトリック学校。子どもたちは普通に教科を学ぶ。教えるのは神父とシスター(修道女)。戒律は厳しい。  神父とシスターの間には目に見える格差がある。神父た...
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映画「その土曜日、7時58分」

シドニー・ルメット監督 アメリカ 2007年 父と子の葛藤。兄弟の葛藤。単純で無邪気な弟。心の歪みで性格を破綻させた兄。(最初から最後まで説明あり。要注意) 土曜日の朝、7時58分に事件は起きる。そこを起点に、時間が前後にさかのぼられる。視...